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顧客の人生に寄り添うライフスタイルブランドへ 一人ひとりにパーソナライズされた購買体験を提供

株式会社FABRIC TOKYO
「業務効率の劇的な改善に貢献しているのがマクロ機能です。問い合わせの多い問題への回答なら1分で終わります。早すぎてお客様に驚かれるほどです」

鈴木 佳菜氏

CXMチーム カスタマーサクセスチーム マネージャー
- 株式会社FABRIC TOKYO

Zendeskソリューション導入の背景と課題

株式会社FABRIC TOKYO(ファブリック トウキョウ)は、2014年より、アパレルとITを掛け合わせたビジネスウェアのカスタムオーダーサービスを手がけてきた。体型の採寸データをクラウドに保存し、最適なサイズのオーダースーツやシャツをオンライン上で購入できるこのサービス。ショップで採寸さえしてしまえば、必要なときに、欲しい商品を、ワンクリックで注文できる仕組みが、多くのビジネスパーソンの心を捉えている。

単に、体にフィットした洋服をつくるのではない。国内に残された数少ない縫製工場と提携しメイドインジャパンの最高品質を適正価格で届けることや、一つ一つの工場と顔を合わせながら多様なライフスタイルに合った商品を生み出すこと、良い商品には理由があることを伝えるべく生産工程をオープンにすることにもこだわっている。ここには、「Fit Your Life」をブランドコンセプトに、サイズだけでなく、生き方にフィットする着こなしを提案していこうという強い思いがある。

株式会社FABRIC TOKYO 代表取締役社長 森 雄一郎氏は、サービス設立当初からカスタマーサポートの重要性を意識していたとして、その理由をこう語る。
「お客様が10年、20年とサービスを使い続けてくださるとするなら、我々はそのライフスタイルや人生に伴走していかなければなりません。ですから、タッチポイントの強化は極めて重要なテーマです」

もちろん、立ち上げ直後はサービスの安定的提供に向けて手探りの状態が続き、カスタマーサポートは問い合わせ対応に終始していた。しかも、フリーメールのアカウントを複数人で共有しながら運用していたという。同社のCXMチーム カスタマーサクセスチーム マネージャーの鈴木 佳菜氏は、「フォームからの問い合わせにメールで回答するというアナログな方法では、作業が属人化する一方で、どんなにリスク回避に労力を注ごうと、顧客の満足度にはつながっていきません。当社が大切にしたいのは、お客様の人生に寄り添い、今この瞬間の感動ではなく、長い時間をかけてお客様と感動を分かち合っていくこと。そこに時間を割きたいと考えるようになりました」と振り返る。

Zendeskが選ばれた理由

「私が所属するカスタマーサクセスチーム(以下、CSチーム)は、お客様の生の声を直接ヒアリングできる部署であり、会社としての課題や、お客様の要望がすべてここに集まってきます。それが全社にうまく反映されていかないと、会社のためにもお客様のためにもならず、会社としての成長は期待できません」と鈴木氏。また森氏は、「当社のお客様が購入されるのは、”商品”と”ユーザー体験”。CSチームは、お客様の本音を知っているという意味で、ユーザー体験の鍵を握る部署だと言えます」と補足する。

「Fit Your Life」のコンセプトに基づいて、お客様に提供できるメリットを追求していくため、カスタマーサポートの見直しを決めた同社は、顧客情報を効率的に管理できること、属人的な作業をシステム化できることを最優先にツールを検討。これらの要件を満たすだけでなく、集計機能やレポート機能までを備え、最終的に顧客満足度の向上に寄与することにフォーカスしたZendeskの導入を決めた。鈴木氏は、「実現したかったことで、Zendeskに出来ないことは一つもありませんでした」と評価する。こうしてフリーメールアカウントでの運用からZendesk Supportへの移行が実現。CSチームにとっては、コールセンター機能から脱却する契機となった。

株式会社FABRIC TOKYO<br />代表取締役社長 <br />森 雄一郎氏

株式会社FABRIC TOKYO
代表取締役社長
森 雄一郎氏

株式会社FABRIC TOKYO<br />CXMチーム カスタマーサクセスチーム マネージャー<br />鈴木 佳菜氏

株式会社FABRIC TOKYO
CXMチーム カスタマーサクセスチーム マネージャー
鈴木 佳菜氏

Zendesk導入の効果

FABRIC TOKYOの利用者は一度購入すると二度三度と購入するリピーターが多い。そこでZendesk Supportでは、顧客ごとに担当者を決め、チケットを自動的に割り当てている。常に同じ担当者が対応することで長期的な関係を構築し、顧客にとって、何でも言える近しい存在でありたいというのが同社の考えだ。たとえ担当者が不在でも、Zendeskなら顧客の状況が一目で把握できるため、シームレスに引き継げる。

また、業務効率の劇的な改善に貢献しているのがマクロ機能である。「問い合わせの多い問題への回答なら1分で終わります。早すぎてお客様に驚かれるほど。FAQに移行すべきかどうかの判断や、サービス改善の検討においても重宝しています」と話す鈴木氏は、かつての属人的な作業をなくすため、トリガや自動化の機能も使いこなす。たとえば、未解決のチケットについて注意を促すことができる自動化は、タスク管理にも役立っている。これがメールなら、完全に埋もれてしまうところだ。効率化された分、CSチームに余裕が生まれ、改善も回しやすくなった。Zendeskでは、問題解決にかかる時間や、問い合わせ内容による顧客満足度の違いなど、さまざまな指標で集計、分析が行えるため、定期的にオペレーションを見直し、最適化することも可能になっている。

さらに注目すべきは、CSチームに新たな動きが生まれつつある点だ。1つは、問い合わせが来てからではなく、来る前に何をすべきかを考え、顧客がお直しの依頼や不満などを遠慮なく言える体制を整え始めたこと。2つ目は、Zendeskに集まってくる顧客の声を、嬉しい内容も耳の痛い内容も全社にオープンに共有する取り組みを始めたこと。3つ目は、クレームをチャンスに変えてリピーター獲得につなげる「リピートチャンス率(通称:リピチャン率)」の追跡を始めたこと。いずれもZendeskで全体を俯瞰できるようになったことがきっかけになった。

Zendesk Support 管理画面

Zendesk Support 管理画面

今後の展望

導入から2年近くが経ち、Zendeskはますます手離せない存在になりつつある。まもなく電話サポートにZendesk Talkを、その先にはZendesk Chatの活用も見据える。電話サポートの比率は全体の3割。Zendesk Talkには顧客とのやりとりを録音する機能があり、「文字では伝えにくい細かい反応やニュアンスを音声で共有できる」として期待する。Zendesk Chatについては、クレームも含めて顧客がなんでも言える体制を実現していく上で重要なツールになるだろうと考えている。

「クレーム対応を顧客満足につなげることにより、リピート率が高まるというデータもあります。当社は売り切りではなく、お客様と長期的な関係を築くことを大事にしているので、今一瞬の損は一切気にしなくていい、もっと言えば今の時点では赤字でもいい。カスタマーサポートを強みにして、それが理由で当社を選んでいただけるように、プロアクティブな対話を可能にするチャットはぜひ導入したいですね」(森氏)

人の数だけ異なる価値観があり、それぞれの生き方がある。顧客の人生に寄り添いながら、オーダーメイドをあたりまえにしていくために、森氏の言う「CSチーム=ファンづくりをする人たち」が描くサポート戦略を、Zendeskがしなやかに支えていく。